09.03.26
Digital DJing Is Like Having Sex With A Condom
今からDJ始めるなら、パソコンだけでDJができるPCDJが断然おすすめだよ
こういうエントリがあったので反応してみます。ちなみにタイトルはドイツのアシッドトラッカーAbe Duqueのとある曲名です(コレ)。他意は無いです。
僕の考えた超人DJ事始
自分の場合、「今からDJ始めるなら、お気に入りのCDを数枚持って近所のDJバーに駆け込むのが断然オススメ」です。コレがDJを始めるに当たって、投資も手間も最小限で済む方法だと思います。
ちゃんとしたクラブだと、素人が突然駆け込んできて「回させてくれ!」と言ってもやらせてくれるワケありませんが、規模の小さいクラブやDJバーなら、むしろ歓迎してくれるところも多いと思います。そういう店が近所にあれば、そこに飛び込むのが一番です。ジャンルとか音楽の方向性が合ってるかどうかは吟味しておく必要がありますが。
なんだかんだで一人でDJを出来るだけの機材を全て揃えるとなると、確実にウン万円単位の出費を強いられますので、それならば、もう機材がそろっている環境を借りてしまうのがビッグアイデア!です。箱じゃなくても、DJの友達の家とか、大学のサークルの機材でもいいので、まずは経験してみて、その上で自分に必要と感じた機材から揃えていくのがいいでしょう。
というのも、やっぱり途中でリタイアしてしまう人が少なくないんですよね・・・オークションなんかでも「DJ辞めます」という名目でDJセット一式が出品されていることがよくあります。
自分の身の回りでも、転勤・転居・結婚なんかを期にスパッとDJを辞めてしまった知人が結構居ますし・・・そういう事もあって、自分の身の丈にあった装備を整えていくというのが、出費も後々の後悔も少なくて済むかと。
DJingの難易度
個人的意見ですが、DJ難易度は「PCDJ>CDJ>レコード」だと思ってます。正直レコードやCDJでのDJingの経験が無い人にPCDJをおいそれと薦める事は出来ないです。
PCDJは、とにかく操作ミスが恐いです。変なキーを押してしまってアプリが止まったり、うっかり別の曲をかけてしまったりというのはザラなので・・・ましてや本番ともなれば、暗くて狭いDJブース内で操作するわけですしね。ノートPCのタッチパッドで操作なんて論外で、少なくとも小型のマウス、できれば場所を取らないトラックボールなんかあると良いです。
よくPCDJの利点として挙げられる、「BPM合わせが必要ない(ソフトにも寄りますが)」というのは確かに大きなアドバンテージなのですが、これも完全ノータッチで良いのかというとそうでなく、なぜかビートが微妙にずれていたり、テンポが合わなくなってきたりというケースは往々にして発生するので、ちゃんとモニタリングをして微調整をする、という作業はたとえPCDJでも必要になってきます。(テンポナッジの操作がキータップだったりすると緊張の瞬間!ちょっとテンポがずれればおじゃん)
またPCDJにも2chで出力してDJミキサーでミキシングを行うタイプと、ミキシングまでソフト内で行って1chで出力するタイプのものがありますが、確実性が高いのは前者です。
片方の出力がおかしくなっても入れ替えてしまえば誤魔化せる・・・というのもありますが、一番の問題はインターフェースです。後者タイプの場合DJ向けのMIDIコンを繋ぐ事になりますが、現在市販されているDJコンの操作性は、アナログDJミキサーに数段劣ります。ベリンガーの安物クラスでも数万円するDJコンより実は扱いやすいとか普通です。
あと、DJ中はソフトにはあまり無理をさせたくない、というのがあります。はっきり言って、DJソフトの停止率は半端無いです。安定性が高いといわれているSerato Schratch Liveですら余裕でハングアップします。DJに使うPCにはあまり余計なアプリを入れずに出来るだけクリーンなセットアップにしておいた方が無難です。あとPCの熱暴走やバッテリー切れなんてのもありがちなので、気をつけるようにしましょう。
CDJを使ったDJの場合、CDをインサートして、トラックを合わせて、曲の頭をキューイングして、BPMを合わせれば準備完了です。このBPMを合わせるのが大変なのですが(昔はDJスキルの大半はこの技術でした)、慣れてくれば30秒もあればこの一連の動作を完了できるようになります。曲のテンポがずれてきたら、ロータリーをちょっと動かしたり、ピチコンを一瞬上げたり下げたりすればOK。
レコードなら、タンテにヴァイナルをセット→曲の頭に針を落とす→BPMを合わせる、で終わりなので、CDJよりもクイックです。ミキシングがカットインメインならBPM合わせも必要ないですし、10秒で準備完了できます。ピッチも微調整しやすく、BPM合わせはCDJよりずっと簡単です。
これだけデジタルが発展してきてるにもかかわらず、DJのためのインターフェースとして最も優れているのは、未だにレコードなんですよね。それ故にTraktor SchratchやSchratch Liveなんて機材がデジタルDJの主流になっているわけです。
どうやって選曲するか
加えて重要なのが「選曲をする際のフロー」です。要は「次にかける曲がどれだけ早く見つかるか」ということ。この曲の次はあの曲をかけよう、その次は○○だ、と具体的に選曲の流れが決まっている場合なら問題ないですが、DJをする際は、基本的にはその場の雰囲気を見ながら流動的に選曲していくことの方が多いかと思いますので、これはミックスの出来の良し悪しに直接関わってくるファクターです。むしろテクニックよりこっちの方が何倍も重要であると思います。
前述のDJ難易度の順序ですが、これはそのまま「前準備の重要性」にも当てはまります。PCDJの場合、狭いPC画面上から目的の曲ファイルをダブルクリックやらドラッグ&ドロップやらしなければいけないので、フォルダとファイル名が良く整理されていないと、目的の曲を探し出すのに時間がかかります。またファイル名からその曲がどういう曲だったかをすぐに連想できる必要があり、ちゃんと曲を覚えていないと大変なことになります。
また「うーんこの後どんな展開にすっかな」とライブラリを眺めながら曲探しをしたりすることなどもあると思いますが、PCDJは多分これが一番やりにくいです。「アーティスト名 - 曲名」のような命名規則なら、ソーティングを工夫するとか、フォルダを分けておく(購入時期で分けるとか)などの細工は必要です。
※ PCDJをしているプロでは、iTunesをファイルブラウザ代わりにしている人が多いらしいです。確かにソーティングの種類の豊富さ、ジャケット画像の表示機能なんかを見ても、上記のネガはかなりカバーしてくれそうです。
その点CDJやレコードが強いのは、曲の内容をジャケットのイメージと結び付けて覚えられるということです。あの曲は赤いジャケットのレコードに入っている、とか、そういう記憶の仕方です。手持ちの曲数が、例えば数十曲程度ならアナログもPCもさほどの違いは無いかもしれませんが、これがライブラリの規模が大きくなればなるほど効いてくるのです。
あとフィーリングで選曲するときはやっぱりメディアがあったほうが楽です。パラパラっとめくってみて「お、これにしよう」という感じで。その場のひらめきなんかも、フックのあるDJをしたい時には重要ですし。
CDJだとRに曲を焼いて持っていくことが多いので、必ずしもジャケとセットになっているわけではないのですが(レーベルに曲目書くぐらいは最低するとは思いますが)、レコードはジャケ・ラベルとは切っても切り離せないので、完全にビジュアルで記憶です。あと、溝を読むことで展開が読めるのもレコードの強みです。最近の機材だとCDJやPCDJでも波形が参照できたりはしますが、やっぱり視認性ではレコードには敵いません。
まとめ
総評すると、PCDJよりはCDやレコードでのDJの方が、とっつきやすさで言えば上だと思います。一昔前より相当良くはなってますが、やっぱりまだPCDJは発展途上なので、PCDJでのメリットを具体的に見出せない段階なら、まずCDで始めるのが良いのではないかと思います。
※ 自分が色々見た感じでは、現在プロDJで一番多いスタイルは(4つ打ちなら)CDJです。やっぱり携帯性、操作性、安定性のバランスを見るとCDJが鉄板なのかなと。その次にPCDJって感じですが、ハウスだとレコード派も根強いです。ダンクラ・ディスコ系はまだ全然レコード。
「DJとは何ぞや」を掴むためにも、まずは2デック+1ミキサーのベーシックなDJingは体得しといたほうが後々のためでもあるかなと。現場で応用が利く、というのは結構重要なファクターだったりしますので。
自分がアナログ好きなので偏った見方になってしまったかもしれませんが、一応全ての形態のDJingを試してみての感想、ということでひとつ。
トラックバック
このブログ記事を参照しているブログ一覧: Digital DJing Is Like Having Sex With A Condom
トラックバックURL:











コメントする